わかちあい

こちらは、 読んだ本や講演会や展覧会等々の中から

皆様と分かち合いたいと思ったものについて 綴ってゆくページです。

・『ホーミタクヤセン』

『ホーミタクヤセン』

一番最初にご紹介するのは 『ホーミタクヤセン』です。


この本の「はじめに」によれば
「ホーミタクヤセン」はインディアンのラコタ族の 癒しの言葉だそうです。
この中につづられているのは、
体の一つ一つの部分に感謝を捧げてゆくことばです。
毎日ただ黙々と動いている、 心臓や肺、腸や腎臓、胃、肝臓、
目や鼻や口などに
一つ一つ、 労りの言葉、 感謝の言葉をかけてゆく
祈りの言葉。
それを目にし、声に出して読んでゆく内に
心の中を暖かい物が満たしてゆくのを感じました。

そして母なる地球を
「おばあちゃん」と呼びかけ、
わたしたちが、 おばあちゃんに愛されてここにいることを
伝えてくれます。

少し引用してみましょう・・・。


「あなたの代わりがつとまる人は
だれもいません
あなたはこの世で唯一
かけがえのない存在です
あなたは本当に特別な存在として
生まれてきたのです

体の中に闇をみつけたら
その部分に
あなたがどれほど
あなたのことを
愛しているかを
教えてあげましょう

もしそこに恐れの感情や痛みがあったら
それをそのまましっかりつかんで
抱きしめてあげてください
そして
一緒に泣いてあげてください」

「私たちが そのままの自分であることを
怖がらないよう
手助けをしてください
そして生きることの真の意味を
理解できるようお導きください
おじいちゃん
おばあちゃん
それが私の祈りです

私は風に感謝します
私は雲に感謝します
私はいつも一緒にいてくれる木に感謝します
私は雪に感謝します

私はすべての国の
私の兄弟姉妹に感謝します
地上を這う
そして地中を這う兄弟姉妹
そしてかれらの国に
水の中に住むもの
哺乳類や
魚の国の兄弟姉妹に」
〜『ホーミタクヤセン』より〜

わたしたちは ともすれば 孤独を感じ、
生きることが重く、苦しいものに 思われる時があります。

でもこの言葉を読んでいると、
わたしたちは決して一人ではなくて、
多くの命によって 生かされているのだな、ということが思い出されるのです。

寂しいとき、 孤独なときには、
風が
太陽が
大地が
木が
そこにいて、
ともに命の歌を歌っていることを 思い出せば

自分自身も
同じ命
生かされている命の一つだと
思い出すことができるでしょう。
また、
この『ホーミタクヤセン』の言葉を通じて
まるで
自分が所有しているかのごとく 錯覚をしている
自分の肉体と
和解することもできるでしょう。

肉体は
お借りしたもの。
それを まるでわが物のように扱って
ときには まるで 肉体を軽視し
精神のみを 崇高なものとして
扱ってきたことはないでしょうか。
あるいはその逆もあったかもしれません。

肉体も
心も
魂も
みな大いなる源の一部です。
心と身体が
はぐれてしまったとき
そして「真実に背いたとき」に
「体は病気になります」
大地の祈り
母なる地球
「おばあちゃん」への 生命の祈りがつづられた
すばらしい響きのことばです。
機会があったら是非声に出して
読んでみていただけたら、と思い
ご紹介いたします。